ゆずこのメモ

ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)より

村上春樹デビューは「羊男をめぐる冒険」。わけわからなかったです。
ねじまき鳥クロニクルは、色々あってから読んだからか、とてもしっくり。
今でもメモをぱらぱら見てモチベーションあげてます。


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私は自らの意識の中核のような場所にまっすぐに下りていけたのではないでしょうか

切ないくらい殺菌されたバックグラウンドミュージック

それは、上と下があり、右と左があり、表と裏があるというようなものごとではないのです。

私が私であることの苦痛

何かもともとの自分に相入れないもの
真っ白な壁の上に大胆な超現実主義絵画をひとつかけたような気分
音として、匂いとして、映像として、求めとして、答えとして
粗方全部。碌すっぽ。
ベレー帽の似合うおスモウ取り
ものごとには限度というものがありますからね

最初から抑々そうあるべきだったのだ

不正確なメタファー
かつて私の中にあった生命あるものは、それ故に何かしらの価値を有していたものは、もうひとつ残らず死に絶えておりました

洗面器や歯ブラシと同じくらいしっかりした現実

巧みに「自由意志」のかたちにカモフラージュ
バナナ農園とサッカー場 至極まっとうな民主国家
比較すること自体が無意味
意志あるところに道は通ずる なんてことは こと抜け毛に関してはほとんど通用しないの
ちょっとした空気の震え
あたりに満ちてい"現実"に不用意に足取りをつかまれないこと
ちょうど必要なくらいしかない
かつて存在したものの致命的な抜け殻の群れ

決定的なずれ

でも我々のみっともないリアリスティックな世界においては、
人は夏の朝に汗まみれで手紙を焼くことだってあるのだ
ものごとには順番というものがあるものね

口をきくことが何かしら下品で不適当なこと

匿名的な古典音楽
僕という人間は結局のところどこかよそで作られたものでしかないのだ。そしてすべてはよそから来てまたよそに去っていくのだ。僕はぼくという人間のただの通り道にすぎないのだ
回転扉のべつの仕切りに入った儘
無力な一人の異邦人 変形して駄目になってしまう
遠回りした

それが何を求めているか、それだけのことです。

禿げ虫歯近視胃弱のDNA
人は真実を伝えるためにメッセージを送っているとはかぎらない
人が本当の自分の姿を見せるために誰かと話し会うとは限らないのと同じように
想像するのは命取り
涙の影。どこかべつの遠くの世界から私たちの心のためにとくべつにやってくるもの
どこかで線を一本引かなくてはならない
金も女も権力も
呪いの詰まった正月の福袋

名前の記憶や響きや意味を一掃する

上手に描けてはいるが焦点を欠いた凡庸な風景画
甘美な死に方
世界中が僕の思考に向かってじっと耳を澄ませているような
何かを望むには疲れ過ぎている
選択肢などといったものも実際には意味をなさないのだ
すり減ってきつつあるという感覚
もしもその場所の求めていることと自分の求めていることがまるっきり違っていたらそれはそれでおしまいだ

誰かが善意で設計した初級犯罪者向けの刑務所のモデルルーム

尻切れとんぼ
待つべきときには待たねばならん
何も求めるべきものを持たない寂寥感

それはそこにあるのだ 僕の手が差しのべられるのを待っている

きわめてシステマティックに動いていた
そんなことしたって仕方ない。いちいちそんなことを気にしていても仕方ないじゃないか
何かあれば「こんにちは」って顔を出すのよ
一種の矛盾であり、分裂だった
もう時間について考えたくなかったそれは僕がもっとも考えたくないものごとのひとつだった
そしてしかもそれはやはり現実
出口のないレトリック
ここで終わりという目で見える区切りがほしいのです
そのうわべの下にはもとのあなたが
大きな虚ろな音
決して老いることのない思いもあります褪せない記憶もあります
一縷の望み

私はその僅かな時間の光の洪水の中に、それこそ一生かけても見ることができないほどの事物を見てしまったのです。そしてそれをみた私はそれを見る前の私とは全く違った人間になってしまったのです

人は秩序を乱す
ひとつの理論的な「可能性」
意味がわからなくなるくらい細かく分解され延長された物音
七面倒臭い
でもそれは遅かれ早かれいつかは起こらなくてはならないことだったのではないかと私は思うのです
雪の日にからすの頭数を数える

限定された体裁

微笑みと薄笑いの真ん中あたりに位置する
不必要に人々の注意を引かないこと
現実があとからそれを丁寧になぞっているだけなのだ
まるっきり嘘
時間をかけることを恐れてはいけないよ。たっぷりと何かに時間をかけることはある意味ではいちばん洗練されたかたちでの復讐なんだ
栓でも抜いたみたいに頭の中を空っぽにしておける

新品の死体

歴史が少しだけ正しい方向に向けて進みはじめたような気がする微笑み
僕がそこに歩いて入っていけるくらいにリアルにクリアに
時に忘れられた廃墟
無益な永遠の衝動に相変わらず身を委ねているのだろうか
息をのむばかりに圧倒的な互換性
死というものの存在が鮮やかで巨大であればあるほど私たちは死にもの狂いでものを考えるわけ
地球の三分の二は海だし

根本は生きるか死ぬ なのです